以前コンビニのコピー機に置き忘れた「アムウェイの勧誘マニュアル」というものが話題になりました。
そこに書かれていたのは相手の返答に合わせたトークマニュアルですが、実際にアムウェイをやっていた人間からみると、「こんな機械みたいなマニュアルじゃ、この人のグループはさぞかし伸び悩んでいるんだろうなぁ」というのが率直な感想でした。
実際に管理人がいたグループ内でシェアされていた勧誘の仕方をもとに、管理人がアムウェイに本気になった2年間の間でブラッシュアップしていった、実際の勧誘マニュアルを紹介したいと思います。
アムウェイに勧誘マニュアルは存在するの?
そもそもアムウェイには勧誘マニュアルは存在するのでしょうか?
正解はアムウェイという企業自体はマニュアルを作っていません。
ただし、各グループ内ではハイピン達の経験値をもとにした独自の「勧誘の成功モデル」を共有し合っており、そのためのミーティングがNDT(New Destributer Training)と呼ばれるものです。
アムウェイのディストリビューターはこういったミーティングに何十回と参加しつつ、さらには自分の失敗や成功体験から、自分自身の勧誘のマニュアルをブラッシュアップしていきます。
実際に活用していたアムウェイの勧誘マニュアル
ということで、管理人が実際に参考にしていたアムウェイの勧誘マニュアルはこんな感じです。
<勧誘以前> 夢と目標を明確にして期限をつける プロスペクトを50人リストアップ プレマケとデモマケを覚える <実際のアポ> 1 まずは10:0で相手の話を聞く(1回目アポ) ↓ 2 同じ悩みを解決した人物の話を出す(2回目アポ) ↓ 3 2の人物について具体的に話し、会いたいと言わせる。プレマケ(3回目アポ) ↓ 4 T-up=アップラインに会わせる(4回目アポ) ↓ 5 ミーティングもしくは自分でデモマケ(5〜6回目)→メンバー登録
勧誘以前にしておくべきこと
まず、自分が何のためにアムウェイをやりたいのか、そしていつまでに何を達成したいのか明確にします。例えばこんな感じです。
夢:5年後までにハワイと日本を好きな時に行き来して暮らせるようになる 目標:5年後までにダイアモンドになる そのために3年後にエメラルド、1年後にFDD そのために今年中にメンバーを100人にする そのためには今月5人必要
みたいな感じで、大きな人生の目標から逆算して、直近のいつまでに何をやらないといけないかを、数値で表せるように具体的にしていきます。
ありきたりのように感じるかもしれませんが、下手なトーク術を磨くより、目標が明確になっているという事実だけで自分の行動と結果は見違えるほど変わります。これはアムウェイを辞めた今でも役立っている知識の一つです。
そして最低限の知識として、アムウェイのマーケティングプラン(会社と仕組みについて)と製品のデモをできるようになっておきます。これをデモマケといいます。
自分がアムウェイを伝えたいと思っている人(プロスペクト)を50人リストアップし、片っ端からアポをとっていきます。(実際はこのリストもすぐに底をつくので、毎日の生活でどんどん新しい出会いを作り出す努力をし、プロスペクトにしていきます)
[ad]1. まずは10:0で相手の話を聞く
勧誘というと「いかに巧みに話をするか」と勘違いしがちですが、実は一番大事なのが相手の話を聞くことです。
何のために聞くのかというと「リサーチ」、つまり相手の悩みを見つけるためです。例えばこんな感じ。
アム:最近調子どう?? 相手:うん、ぼちぼち。 アム:まだあの仕事やってるの? 相手:そうなの〜!早く転職したいんだけどさ、なかなか。 アム:へーなんで転職したいの? 相手:残業多すぎて、なのに給料安いし、最悪。 アム:ふんふん 相手:もっと楽な仕事した〜い アム:楽って例えばどんなの? 相手:9時5時で残業なくて、お給料がいいとこ♪ アム:(この人は時間とお金のトレードオフに気づいていないんだ。今度権利収入を教えてあげよう) でも、楽ならお給料も安いのが普通だよね。仕事じゃなくて本当はどんな生活したいのか考えてみたら? 相手:そんなの、働かないで好きなだけ旅行してくらしたいよ〜!できるもんならね。 アム:(できるんだよ、アムウェイなら。今度教えてあげよう)
といった具合です。
1回目のアポイントではひたすらに聞き役に徹し、相手の悩みをできるだけ詳しく把握するようにし、こちらからの情報提供は一切しません。ましてやアムウェイのアの字も出しません。
そしてアポの後は、相手の悩みに対してアムウェイでどのように解決出来るか、自然に伝えるためのストーリーを考えます。必要であればアップラインにも相談します。
2 同じ悩みを解決した人物の話を出す
2回目に会う時も同じように話を聞くのですが、前回と違うのは「あなたのその悩みは解決できるんだよ」と、解決策があることを匂わせることです。ただし話しすぎないコトがポイントです。
アム:仕事は相変わらず? 相手:うん、転職活動始めたよ。 アム:お、頑張れ〜!転職したら旅行の夢は叶いそう? 相手:あー、あんなのただの夢だから、言ってるだけだよ〜 アム;え?そうなの?知り合いに旅行好きすぎて、会社辞めて自分でビジネス初めて、今は好きに旅行しまくっている人いるよー 相手:そうなんだ〜、さすが才能ある人は違うね アム:その人はA子の歳で、何も経験ないところからはじめてたよ。 相手:へ〜。よくそんなこと思いつくね。 アム:会社で働いた先には、旅行して暮らすなんて生活絶対にできないから、チャレンジしてよかったって言ってる。 相手:へー。
ここで初めてアムウェイに関連する人の話題を出します。悩みが肌荒れだった場合、サプリなど商品の話を出しても良いです。
どうやら世の中には自分が望む生活を手に入れている人がいるらしい、でもその人も特別な人じゃなくて自分と同じだった、ということだけ記憶に残ればOKです。
3 2の人物について具体的に話し、会いたいと言わせる
3回目のアポがアムウェイ勧誘の中で一番大事なアポイントとなります。
アムウェイをやっている人たちは「時間」に対して非常に意識が高く、勧誘に対しても時間と期限を区切っています。その見極めとなるのが大抵3回目のアポなのです。
3回目のアポで一番大事なコトが相手をワクワクさせること、そしてそのテンションのまま、相手に会いたいと言ってもらうことが目的になります。
アム:そう言えばこの間話してた◯◯さん、昨日からハワイ行くって言ってた 相手:いいな〜 アム:誘ってくれたんだけど会社あるから行けなくてさ〜 相手:そっか、自分でやってたら好きな時に休めるんだよね アム:SNS見てみる?この写真とか超ヤバくない?まじキレイ!!海!! 相手:ヤバイね〜 アム:先月も行ってたよ(Facebookを見せる) 相手:この人すごいねwwこんなにしょっちゅう海外行ってるの?? アム:ね、経営者は時間が自由だからね 相手:めっちゃ羨ましいwwなんでこんな生活出来るの?何やってるんだろ? アム:アムウェイだよ。知ってる? 相手:う〜ん、あんまり知らない アム:私も詳しくしりたいんだよね。今度お茶するんだけど会ってみる?旅行の写真も見せてもらうんだ 相手:うんうん。
ここで初めてアムウェイについて触れるのですが、実際にアムウェイという名前を出して、それでも相手に会ってみたいという人は実際1〜2割位です。
でも事前に相手の悩みを聞き出し、それを叶えている人たちの姿を見せることで、自分の目の前に決してないと思っていた「手段」が提示されて未来にパーッと光が差してくるんですね。アムウェイではなく、その先にある未来や生活、というものを具体的にイメージさせることで、アムウェイの話を聞く確率は3割くらいには上がっていたんじゃないでしょうか。
<番外編>相手がアムウェイにネガティブな場合
ちなみに相手がアムウェイに対してネガティブなイメージを持っている場合、戦わないことで相手に興味を持たせる戦法があります。
アム:アムウェイって知ってる? 相手:え、ネズミ講だろ!?お前そんなのやってんの? アム:ネズミ講のイメージってどんなの? 相手:上が儲かるとか、人に商品売りつけるんだろ。 アム:残念、アムウェイは完全平等だから上でも儲からないんだよね。しかも商品は通販と一緒でアムウェイから直接買うだけだよ 相手:でもイメージ最悪じゃん アム:そうなの?大統領が表敬訪問する優良企業で、ACミランの栄養管理も任されてるのにね。誰がイメージ悪いって言ってたの? 相手:別に誰ってわけじゃなないけど、一般的に? アム:俺が知ってるアムウェイは全然違うんだけどな。自由なオトナって見たことある? 相手:は?自由なオトナ? アム:お金と時間に縛られない、超楽しそうな人たちばっかなんだよね〜
こんな感じで、相手の意見を否定するのではなく、ちょいちょいアムウェイの魅力を挟みながら、相手が持っているアムウェイのイメージと間逆なことを伝えて、相手に「え??そうなの??」と思わせることを何個も繰り返していくことがポイントです。
「え?そうなの?」が積み重なると次第に、「で、実はどうなの?」となり、「へぇそうなんだ」と変わっていきます。
人は元から好意を持っているものより、最初のイメージが悪くてもそれが覆った時の方が、よりその対象に対して強い好意を抱くようになるものです。
[ad]4 T-up=アップラインに会わせる
さて、話はそれましたが4回目のアポの話です。
4回目のアポではようやくアムウェイ仲間(アップライン)とプロスペクトと引き合わせることになります。
アップラインとの引き合わせは極力短時間に抑え、その希少性をあげます。
もちろん、事前にこのアップラインとは入念な打ち合わせをし、このプロスペクトの悩みに一番響くような話をしてもらうようにします。今回で言えば、お金と時間のトレードオフから脱却することの重要性を、成功者の目線から語ってもらうということですね。
アムウェイの話は相手が聞いて来た場合のみします。
ゴールはアムウェイという仕組みに興味を持ってもらうことではなく、アムウェイをやった先にある成功者の生活・ライフスタイルに憧れを持ってもらうこと、さらには自分もそうなりたい、と思ってもらうことです。
相手がそのような状態になったら「アムウェイの話、きちんと聞いてみない?」と別れる前に次回のアポを取ります。ここまで来てやっと、デモマケのタイミングです。
5 ミーティングもしくは自分でデモマケ→メンバー登録
こうしてようやくアムウェイという「手段」について話すタイミングを迎えます。
新規メンバーの獲得ができない人の多くは、最初からアムウェイの仕組みを説明して「怪しくない」「ネズミ講じゃない」ということを強調しようとするのですが、仕組みに興味がある人なんて誰もいません。
だからこそ仕組みの話は最後で良いのです。
ということでアムウェイのマーケティングプランと製品デモを見せ、上手く行けばそのままサインアップ、そこまで至らなくても製品を試してみたり、アムウェイに対する距離をどんどんと縮めていくことができます。
ここで仲間にも紹介し、アムウェイの「環境」に仲間入りさせることで、後は自分だけがその相手のサポートをしなくても環境が自然と「アムウェイ信者」が出来上がっていきます。
アムウェイに勧誘の仕方と流れ
いかがでしたでしょうか。
伝える人の数ほど伝え方があるのがアムウェイなので、完全なトークマニュアルや勧誘マニュアルなどというものはありません。
ここまで読んでおわかりの通り、人々がアムウェイに興味を持つきっかけとなるのが「成功した先の未来」にワクワクすること、です。
アムウェイの仕組みの平等性や正当性をいくら主張したところで、誰一人興味は持ちません。
だからこそ、アムウェイをやっている人たちはSNSで必死に「自分は今こんなに幸せな生活をしてます」「自分にはこんな素敵な仲間がいる」ということをアピールしているんです。
そのライフスタイルやコミュニティに興味を持つ人が一人でもいるかも知れないから。
でも、ここまで読んでおわかりの通り、プロスペクト1人をメンバーにするために掛かる労力というのは、ひじょーーーに大きなものなんですね。労力をかけたからといってメンバーになってくれるとも限りません。
成功率は2割もあれば高い方です。50人に声をかけて3人しか興味を持ってくれなかった、なんていうのが当たり前の世界です。
そしてピンレベルが上がればこういった勧誘をしなくて良くなるわけではありません。どこまでいって、永遠に勧誘し続けなくてはいけないのがアムウェイの仕組み。
>>まだアムウェイが権利収入だと思ってる?報酬の仕組みと真実を知れ
それに疲れ果ててアムウェイを離脱する人がほとんどです。
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