私はなぜアムウェイに洗脳されたか〜勧誘から信者にさせるテクニック【前編】

アムウェイでの活動を辞めてはや1年。最近ツレとしたこんな会話をしました。

ツレ「そういや2年前の桜の季節は、お前に散々アムウェイの勧誘されてたな〜」
 私「うむ、皆まで言うな」
 ツレ「あの時のお前は、一番近くにいた俺の反対すら全く聞く耳持たなかったよな〜ガハハ(ゲンコツ)」
 私「ぐぅ何も言えない…(笑い飛ばしてくれるツレに感謝)」

最近になってようやく「あの頃の自分は本当に洗脳状態だったなぁ」と客観的に思えるようになってきました。そうすると自分が洗脳状態になっていく過程には、勧誘者のテクニックがふんだんに散りばめられていたことがハッキリと見えてくるようになりました。

そしてアムウェイにはまっていく多くの人が、そのテクニック同じような反応や心理変化を見せ、同じようにアムウェイ信者になっていくのです。

誰かの参考になればと思い、勧誘からアムウェイ信者になるまでの道のりを振り返ってみることにしました。長いので前編・後編に分かれています。

アムウェイの怖さは洗脳される環境が整っていること

これからお話することのすべてに共通することを最初に述べておきます。

それはアムウェイにはグループという名の「洗脳が連鎖されていく環境」が整っていて、世の中にいるアムウェイの勧誘者はすべて、このグループ内で教育され勧誘マンとして育て上げられ、世の中に送り出されている人たちだということです。

こういった環境は、自身のグループの発展のためにアップラインにより意図的に作られているものなのですが、洗脳されている信者からすると「自分の成功のために力を貸してくれる感謝すべき環境」であり、そのアップラインに報いようとします。

つまり自分も多くの人にアムウェイを伝え、この素晴らしい環境に引き入れ相手の成功のために自分が尽力することで伝えた相手に感謝されること、そして結果としてこのグループを大きくしていくことがアップラインへの恩返しへと繋がる。

この「感謝の連鎖」というキレイな名前に塗り替えられた「洗脳の連鎖」が自然に起こっていくように、アムウェイのアップライン達は自分のグループというものを作り、ミーティングとうい場を使ってメンバーを教育していくんですね。

ミーティングは教育、仲間は心理的包囲網、アップラインは教祖に他なりません。

この「グループ」という環境が整っていることこそが、アムウェイに洗脳される人が後を絶たない一番の理由でり、怖さです。

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勧誘されたのは私が条件をクリアしてたから

ということで、私が洗脳された勧誘マンになるまでを振り返ってみましょう。

当時の私は仕事に忙殺されていて、家には寝に帰るだけのような状態。

スキを見つけてはストレス発散のために南国に逃避し、どうにか仕事へのモチベーションを保ち続けていましたが、それがこの先何年も続くのか、という不安と絶望に押しつぶされそうになりながら生きていました。

「もっと楽な仕事に転職したら?」という言葉は親にも友達にも散々言われていました。「でも、そうしたらお給料は下がるでしょ…」というのが私のホンネでした。

勧誘されるは時間・お金の悩みを持った人

こうして私の中に「本当はこの忙しさから抜け出したくてたまらない」のに「この生活のためにはハードに働き続けなくてはいけない」という矛盾が蓄積されていく中で、私はその矛盾を「副業」で解決できないか、と考えていたんですね。

会社で働く以外の収入源が何か作れないか、そんなことをぼんやり考えていました。(この時考えていたのは株やFX、不動産投資だったのですが)

そんな時に出会ったのがアムウェイ男でした。

勧誘テクニック
勧誘すべきはアムウェイで解決出来る悩みを持った人。
つまり、時間がない人、お金がない人、仲間が欲しい人、美容健康に興味がある人。
>>アムウェイに勧誘されやすい人の特徴まとめ。

アムウェイとの出会い〜疑心暗鬼〜

私とアムウェイとの出会いは、ペアーズというマッチングアプリで出会った男性がきっかけでした。

「将来の夢はハワイに移住して自由に暮らすこと。自分でビジネスをやっています」

東京でのハードワークに疲れ、逃避願望があった当時の私には理想の相手に思えたのでしょう。初めて会った時にその相手は「自分はアムウェイというビジネスをしている」ことを告白してきました。

「この人ネズミ講なのかな…?」「気をつけよう」と疑心暗鬼で警戒心は持ちつつも、今まで出会ったことの無い自由なマインドを持ったこの相手に興味を持ち、その後短期間に3回ほど会って話をしてしまったのです。

詳しい内容はこちらの記事に書いてあります。
アムウェイを始めたきっかけ・ペアーズの男が勧誘目的だった!
アムウェイのミーティングに勧誘されるまでの体験談・成功者の紹介

勧誘テクニック
プロスペクトとは短期間の間になるべく繰り返し会うのがポイント。そして繰り返し会ってもらうために、自分自身が人間的に魅力的になれ、と教えられます。成功者に美男美女が多いのも頷けますよね。
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アムウェイに興味を持つ〜イメージの崩壊〜

どちらかというと「慎重で疑り深いタイプ」で、「怪しい」「自分は絶対騙されない」と思っていた私が、そのアム男と3回会った後にはなんと「ミーティングに出る」ことになっていました。

意味不明ですよね。
その間に何が起こったかというと、自分の中にあった「ねずみ講」のイメージがどんどん払拭されていく情報のインプットです。

その結果私の中で「大丈夫かもしれない」という安心感が蓄積されていったんですね。

勧誘テクニック
アムウェイに関して持っている印象は「単なるイメージ」であることを認識させて、「異なる現実」をインプットさせる。そのためには情報を小出しにして「あれ、思ってたのとなんか違う」と何度も思わせること。

良い方向へイメージが裏切られる

具体的にはこんな感じでした。

管理人
アムウェイってネズミ講で上が儲かるんでしょ?
アム男
残念。アムウェイって完全平等な仕組みで、やったらやっただけ返ってくる。俺は現に俺に教えてくれた人の収入を抜いてるし

あれ…?上が儲かるわけじゃ無いの…???

アム男
俺らのグループ、みんな最高にイケてるから。イメージ変わるよ

と、成績優秀者が行ける招待旅行の動画を観せられる。 実際みんな爽やかな美男美女、そして動画自体もめちゃくちゃカッコよく編集されてて思わず見入ってしまったり。

アム男
この人、アムウェイで成功して世界一周してた女性。もともとはお前と同じキャリアウーマンだったんだよ。今も世界中飛び回ってるよ(と言ってFacebookを見せられる)
管理人
ふーん…(どんなギラギラしたおばさんかと思ったら、何このカッコイイ女性。しかも、なにこの自由気ままな楽しそうな生活wっw)

仕組みの話とか、人の話とか、細切れにだけど聞くうちに「あれ、自分が思っていたネズミ講とはなんか違うぞ」「なんか怪しくなさそう」「思ってたより普通の人達だな、いや普通じゃなくてむしろカッコイイ人たちばっかり…」「強引に何か買わされたりはしなそう」という安心感が芽生え、

「ま、絶対やらないけど、話は聞いてみてもいいかな」

と自分の中のガードが少し下がったんですね。でもこの段階ではまだまだ「怪しい」という気持ちも捨てきれていなかったのは事実です。

勧誘テクニック
プロスペクトにどんな話をしたら刺さるか、誰を紹介するのが効果的かなど、勧誘者は自分のアップラインと事細かに打ち合わせしています。その日のアポイントが終わったら今日はどんな反応だったかを伝えて、次回はどんなことを話すべきか、毎回作戦を立てています。

私の場合は、その元キャリアウーマン・現ダイアモンドの女性の話に興味を持ったところから、2週間後の彼女が話すミーティングに私を連れていくことを目標に、その後2回のアポイントの会話の内容やタイミングを裏で設定されていた、ということです。

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ミーティングに出てみる〜驚きの連続〜

そんなこんなで、「絶対にモノを買わされそうになっても断るww」と固く心に決め、私が興味を持った元キャリアウーマン・現ダイアモンドの女性の話を聞きにいくことにしました。

まず驚いたのがミーティングの場所。

どんな胡散臭い、ボロ臭い会議室みたいなところかと思ったら、新しいオシャレなビル。(そのビルもアムウェイ成功者が所有するビルです)内装やデザインもすごく洗練されていました。

その中の1室がミーティングルームになっていて、中には椅子が40脚位並べられていました。私とアム男は一番前の席に。

勧誘テクニック
ミーティングは新規のメンバーやプロスペクトが最優先です。まだメンバーになっていないプロスペクトが来た時は、周りのメンバーが協力し合って、特等席である最前列を確保しておきます

ここからは私にとって未知の世界との遭遇で、驚きの連続でした。

あっという間にその会議室は満席になり、立ち見まで出る始末。一体どういうことなのかさっぱり理解できませんでした。なんでこんなに人が集まるのか。そんなに積極的に聞きたいような話なのか?

この人達がみんな騙されて連れて来られているとはとても思えなかったのです。

さらにはそこに集まっている人たちの人種。なんかやたらキラキラした人達ばかり。控えめに言ってもとても魅力的に見える人たちがすごく多かったんです。美男美女というだけではない、イキイキしている人たちに見えたんですね。しかもみんな礼儀正しい。

管理人
何なんだこの世界は…

と圧倒されている間にミーティングが始まります。

上手くできているミーティングの仕組み

と言ってもすぐにダイアモンドの女性が出てくるわけじゃないんですね。どんなミーティングでも、まずはハロートークとデモンストレーションから始まります。

そしてこの流れというのが、本当に上手くできた流れなんですね。

ハロートークというのは、ある程度成績が上がっているメンバーが自己紹介と称して「誰からアムウェイが伝わってきたか」「その時どう思ったか」「なぜアムウェイを始めようと思ったのか」といったことを話していきます。

勧誘テクニック
①誰から伝わってきたか②どう思ったか③なぜやろうと思ったか④どうしてあなたに伝えようと思ったか。この4つはプレマケと言って、勧誘の時に必ず話したほうが良いと言われているポイントです

この話というのは、疑心暗鬼で猜疑心いっぱいにこの場に座っている人間にとってはスゴイ安心材料になる話なんです。というのも自分の心理状態を代弁してくれるからなんですね。

管理人
あ、この人も不安だったんだ。疑ってたんだ。でも違ったんだ。

そう思うとアムウェイとは一体なんなんだ!??????とその正体を正しく知りたくなるんですね。いきなり成功者が登場してアムウェイの仕組みを話始めるよりも、このワンクッションがあるだけで、「聞きたい」脳みそになるんですよ。

ちなみにその後の商品のデモンストレーションは、正直めっちゃ引きます。こんな感じで製品デモを見せられて、メンバーがわざとらしく「おぉぉ!」「さすがアムウェイ」みたいなことを言うわけです。マジ茶番です。ドン引きします^^;

成功者のプレゼンテーション能力の高さ

そんなこんなでやっとこさお目当てのダイアモンド女性が登場します。まずその姿を見てビックリ。

管理人
え、この人、50代だよね…?オバサンじゃなくてめっちゃ「女性」なんだけど…若っwwwww

とりあえず、自分が知っている50代女性像には何一つ当てはまらなかったんですよね。で、一言目が

「すみません〜、さっきハワイから帰ってきて空港からの道が混んでて〜。今日は人が多いから土曜日かな?」

管理人
あ?夏休みでもないのにハワイ?つか曜日の感覚ないわけ?何なの???

ということで話がはじまるのですが、聞きたいと思っていたアムウェイの仕組みの話がいつまで経っても始まらない!!話されるのは自分の近況や最近の発見など。サラリーマンからしたら意味分からない話ばかりです。

で、おもむろにキーノート作ったでオサレなプレゼン資料をスクリーンに映します。

おぉやっとはじまる!と思ったら話すのは、ライフスタイルの話。仕事がライフスタイル決めてるとか、世の中にある収入の種類の話、さらには時間とお金の関係の話など。

まさかそんな話を聞くことになるとは思っていなかった私ですが、この話がめちゃくちゃおもしろかったんです。だって、今まで大学を出て企業で働いていくこと以外の選択肢なんてあると思ってもいなかった私にとって、実は世の中にはそうじゃない種類の人がいるとか、その人達はどうやって生活しているかとか、考えたことも無かった話が次から次に出てくるのです。

管理人
しかもめちゃくちゃプレゼンテーション能力が高い!!

私の会社にも相当優秀な人間が集まってると思っていましたが、そんなエリート会社員にも引けを取らない、いや、もしかしたらそれより全然上手いかもしれない…

ま、そりゃそうですよね。何十年と人にアムウェイ伝え続けてるんですもん。

で、完全に釘付けになったところでアムウェイの仕組みの話が出てきます。

正直100%理解はできなかったけど、イメージしていたような「ねずみ講ビジネス」ではなかった。完全に平等な仕組み。しかもアムウェイ自身は大企業で非常にクリーンな企業なんだと思いました。

なるほど、イメージが悪いのは変な伝え方をしてる奴らがいるからなのか…と。

勧誘テクニック
伝えるべきはアムウェイの仕組みではなくて、アムウェイで成功した先にどんな未来があるか。時間とお金の縛りから自由になって、どんな素敵なライフスタイルを送ることができるのか、そのほうがよっぽど人の心を掴みます

前編まとめ

そんなこんなで、一度ミーティングに出るという壁を乗り越えて成功者の話を聞いた私は、その日興奮して、ワクワクして、雷にでも打たれたような気分になったんですよね。

この先もこんな働き方をいつまで続ければ良いのか、と絶望していた人生に、めちゃくちゃ明るい光が差したように思えたんです。

細かいことはよくわからないけど、これが私の探していたものだ!!やっと出会えた!!!

そんなテンションでなかなか寝付けなかったのを覚えています。

後編ではアムウェイにサインアップしてから、週6でミーティングに参加するようになり、完全なアムウェイ信者に洗脳されていくまでの様子を書いていきます。

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